平成30年度税制改正においては、デフレ脱却・経済再生が一つの柱とされています。デフレ脱却・経済再生のための措置として「生産性革命」の実現に向けた措置等が講じられており、そのうちの 1 つである競争力強化のための措置として、事業再編の環境整備に関する措置を講ずることとされ、多段階型再編等多様な手法による事業再編の円滑な実施を可能とするため、組織再編税制の適格要件等を見直すこととされました。具体的には、以下の改正が行われました。
⑴完全支配関係がある法人間で行われる当初の組織再編成の後に適格株式分配を行うことが見込まれている場合の当初の組織再編成の適格要件のうち株式の保有関係に関する要件について、その適格株式分配の直前の時までの関係により判定することとされました。
⑵当初の組織再編成の後に完全支配関係がある法人間で従業者又は事業を移転することが見込まれている場合にも、当初の組織再編成の適格要件のうち従業者従事要件及び事業継続要件に該当することとされました。
⑶いわゆる無対価組織再編成について、適格組織再編成となる類型の見直しを行うとともに、非適格組織再編成となる場合における処理の方法が明確化されました。
⑷ その他所要の措置が講じられました。