税制改正令和元年度(3)改正の内容

⑴ 三角合併等の対価に関する要件の見直し

合併法人等(合併法人、分割承継法人又は株式交換完全親法人をいいます。以下同じです。)の親法人の株式を合併等(合併、分割又は株式交換をいいます。以下同じです。)の対価に用いる組織再編成、いわゆる三角合併等の対価について、その合併法人等の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある法人の株式が、適格要件のうち対価要件に該当する対価及び被合併法人等(被合併法人、分割法人又は株式交換完全子法人をいいます。以下同じです。)の株主等における旧株の譲渡損益の計上を繰り延べる要件に該当する対価とされました。
具体的には次のとおりです。

① 適格要件に係る合併等対価の範囲
以下のとおり、適格組織再編成となる合併等の要件のうち対価要件について、対価要件に該当する株式が、合併法人等又は合併法人等との間にその合併法人等の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式とされました。
イ 合併
適格合併となる要件のうち対価要件について、対価要件に該当する株式が、合併法人又は合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式とされました(法法 2 十二の八)。これにより、合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある一の法人の株式のみが交付される場合にも対価要件に該当することとなります。
合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人と、合併の直前にその合併に係る合併法人とその合併法人以外の法人との間にその法人による完全支配関係があり、かつ、その合併後にその合併法人とその法人(イにおいて「親法人」といいます。)との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合のその親法人をいいます(法法 2 十二の八、法令 4 の 3 ①)。
また、上記の合併後にその親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合に、その適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされ、その後そのみなされた法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合にもその適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされました(法令 4 の 3 一)。すなわち、合併後にその合併法人と親法人との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることとの要件については、合併後に親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、その適格合併後はその適格合併に係る合併法人(その後の適格合併に係る合併法人を含みます。)との間の完全支配関係が継続することが見込まれていれば、この要件に該当することとなります。
(注) 上記の措置は、改正前の要件(合併後の親法人による直接完全支配関係の継続)における、合併後に行われる適格合併によりその合併に係る合併法人の発行済株式等の全部がその適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれている場合のその適格合併に係る合併法人を親法人に含めて直接完全支配関係の継続を判定する措置(旧法令 4 の 3 ①)と同様のものです。
ロ 分割
適格分割となる要件のうち対価要件について、対価要件に該当する株式が、分割承継法人又は分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式とされました(法法 2 十二の十一)。これにより、分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある一の法人の株式のみが交付される場合にも対価要件に該当することとなります。ただし、分割型分割にあっては、その株式がその分割法人の各株主等の有するその分割法人の株式の数(出資にあっては、金額)に応じて按あん分交付される場合に限ります。
分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人とは、分割の直前にその分割に係る分割承継法人とその分割承継法人以外の法人との間にその法人による完全支配関係があり、かつ、その分割後にその分割承継法人とその法人(ロにおいて「親法人」といいます。)との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合のその親法人をいいます(法法 2 十二の十一、法令 4 の 3 ⑤)。
また、上記の分割後にその親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合に、その適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされ、その後そのみなされた法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合にもその適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされました(法令 4 の 3 一)。すなわち、分割後にその分割承継法人と親法人との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることとの要件については、分割後に親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、その適格合併後はその適格合併に係る合併法人(その後の適格合併に係る合併法人を含みます。)との間の完全支配関係が継続することが見込まれていれば、この要件に該当することとなります。
(注) 上記の措置は、改正前の要件(分割後の親法人による直接完全支配関係の継続)における、分割後に行われる適格合併によりその分割承継法人の発行済株式等の全部がその適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれている場合のその合併法人を親法人に含めて直接完全支配関係の継続を判定する措置(旧法令4 の 3 ⑤)と同様のものです。
ハ 株式交換
適格株式交換等となる株式交換の要件のうち対価要件について、対価要件に該当する株式が、株式交換完全親法人又は株式交換完全親法人との間にその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式とされました(法法 2十二の十七)。これにより、株式交換完全親法人との間にその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある一の法人の株式のみが交付される場合にも対価要件に該当することとなります。
株式交換完全親法人との間にその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人とは、株式交換の直前にその株式交換に係る株式交換完全親法人とその株式交換完全親法人以外の法人との間にその法人による完全支配関係があり、かつ、その株式交換後にその株式交換完全親法人とその法人(ハにおいて「親法人」といいます。)との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合のその親法人をいいます(法法 2 十二の十七、法令 4 の 3 ⑰)。
また、上記の株式交換後にその親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、その適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされ、その後そのみなされた法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合にもその適格合併に係る合併法人を親法人とみなすこととされました(法令 4 の3 一)。すなわち、株式交換後にその株式交換完全親法人と親法人との間に親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることとの要件については、株式交換後に親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、その適格合併後はその適格合併に係る合併法人(その後の適格合併に係る合併法人を含みます。)との間の完全支配関係が継続することが見込まれていれば、この要件に該当することとなります。
(注) 上記の措置は、改正前の要件(株式交換後の親法人による直接完全支配関係の継続)における、株式交換後に行われる適格合併によりその株式交換完全親法人の発行済株式等の全部がその適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれている場合のその合併法人を親法人に含めて直接完全支配関係の継続を判定する措置(旧法令 4 の 3 ⑰)と同様のものです。

② 被合併法人等の株主等における被合併法人等の株式の譲渡損益
被合併法人の株主等である内国法人の、その被合併法人の株式の譲渡損益の計上を繰り延べる要件における合併の対価について、合併法人又は合併の直前に合併法人とその合併法人以外の法人との間にその法人による完全支配関係がある場合のその法人(親法人)のうちいずれか一の法人の株式とされました(法法61の 2 ②、法令119の 7 の 2 ①)。これにより、合併の直前に合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある一の法人の株式のみが交付される場合にもこの要件に該当することとなります。
分割型分割及び株式交換についても同様です(法法61の 2 ④⑨、法令119の 7 の 2 ③④)。
ただし、分割型分割にあっては、その株式がその分割法人の各株主等の有するその分割法人の株式の数(出資にあっては、金額)に応じて按分交付される場合に限り、この要件に該当することとなります。

③ 他の措置における整備
三角合併等の対価として交付される親法人の株式に関する次の措置においては、それぞれ次に述べるとおり、合併法人等との間にその合併法人等の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある法人の株式についても、改正前の親法人の株式と同様に取り扱うこととされました。
イ 共同で事業を行うための組織再編成に係る株式継続保有要件
共同で事業を行うための合併に係る適格要件のうち株式継続保有要件において継続して保有すべき親法人の株式について、合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①イの親法人の株式)とされました(法令 4 の 3 ④五)。共同で事業を行うための分割及び株式交換についても同様です(法令 4 の 3 ⑧六⑳五)。
また、これに伴い、被合併法人等の株主等に交付される株式がその株主等が発行した株式である場合には、その株式は株式継続保有要件において継続して保有すべき株式(対価株式)に含まれないものとされました(法規 3 の 3 ③二)。
ロ 共同で事業を行うための株式交換等に係る支配関係継続要件等
共同で事業を行うための株式交換に係る適格要件のうち株式交換後に株式交換完全子法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする適格合併、適格分割又は適格現物出資が行われることが見込まれている場合における支配関係継続要件の緩和措置について、対象となる適格合併又は適格分割から除外される三角合併又は三角分割が、合併法人又は分割承継法人との間にその合併法人又は分割承継法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①イ又はロの親法人の株式)が交付される適格合併又は適格分割とされました(法令 4 の 3 ⑳六)。一の法人のみが株式移転完全子法人となる株式移転に係る株式の保有関係に関する要件及び共同で事業を行うための株式移転に係る支配関係継続要件についても同様です(法令 4 の 3 六ハ)。
ハ 合併法人等が交付する合併親法人株式等の譲渡損益
自己を合併法人等とする適格合併(金銭等不交付合併に限ります。)、適格分割又は適格株式交換等(金銭等不交付株式交換に限ります。)の対価として親法人の株式を交付した場合のその親法人の株式の譲渡損益を計上しないこととする措置の対象となる株式について、合併法人等との間にその合併法人等の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①イからハまでの親法人の株式)とされました(法法61の 2 ⑥⑦⑩)。
ニ 親法人株式のみなし譲渡損益
自己を合併法人等とする合併等の対価として親法人株式を交付しようとする場合のみなし譲渡の対象となる親法人株式について、合併等の直前に合併法人等とその合併法人等以外の法人との間にその法人による完全支配関係がある場合のその法人に該当することがその合併等に係る契約をする日において見込まれる法人の株式とされました(法法61の 2 、法令119の11の 2 ①)。
ホ 合併等により取得した親法人株式の取得価額
被合併法人の株主等である内国法人が合併(金銭等不交付合併に限ります。)により合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記②の親法人の株式)の交付を受けた場合の取得価額について、旧株の合併の直前の帳簿価額に相当する金額(みなし配当の額及び交付を受けるために要した費用の額を加算)とされました(法令119①五)。分割型分割(金銭等不交付分割型分割に限ります。)及び株式交換(金銭等不交付株式交換に限ります。)についても同様です(法令119①六・九)。また、分割法人が適格分社型分割により分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①ロの親法人の株式)の交付を受けた場合の取得価額について、移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額(交付を受けるために要した費用の額を加算)とされました(法令119①七)。すなわち、改正前の親法人の株式に係る取扱いと同様とされました。
ヘ 適格分割型分割により分割法人が交付を受ける分割承継親法人の株式の交付時の価額
分割法人が適格分割型分割により分割承継法人からその分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①ロの親法人の株式)の交付を受けた場合のその交付時の価額について、改正前の分割承継親法人の株式に係る取扱いと同様に、その適格分割型分割により移転をした資産及び負債の純資産価額とされました(法法62の 2 ③、法令123の 3 ②)。
ト 合併等により増加する資本金等の額
合併等により増加する資本金等の額の計算において合併等により移転を受けた資産及び負債の純資産価額(株式交換にあっては、株式交換により移転を受けた株式交換完全子法人の株式の取得価額)から減算する増加資本金額等について、適格合併等により合併法人等との間にその合併法人等の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①イからハまでの親法人の株式)を交付した場合には、改正前の合併親法人株式等に係る取扱いと同様に、その交付した株式のその適格合併等の直前の帳簿価額とされました(法令 8 ①五・六・十)。
チ みなし配当事由から除外される自己の株式の取得
みなし配当事由とされる自己の株式の取得から除外される適格分社型分割による分割承継法人からの交付による取得の対象となる適格分社型分割について、分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①ロの親法人の株式)が交付される適格分社型分割とされました(法令23③六)。
リ 譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例
内国法人が個人から役務の提供を受ける場合において、その役務の提供に係る費用の額につきその対価として特定譲渡制限付株式等が交付されたときにその個人のその役務の提供につき給与等課税額が生ずることが確定した日においてその役務の提供を受けたものとする措置について、その対象となる合併又は分割型分割により被合併法人又は分割法人の特定譲渡制限付株式を有する者に対して交付される親法人の譲渡制限付株式が、その合併又は分割型分割の直前に合併法人又は分割承継法人とその合併法人又は分割承継法人以外の法人との間にその法人による完全支配関係がある場合におけるその法人の譲渡制限付株式とされました(法令111の 2 ②)。
ヌ 合併等により交付する株式に 1 に満たない端数がある場合の所得計算
合併により交付すべき親法人の株式の数に 1 に満たない端数が生ずる場合において、その端数に応じて金銭が交付されるときに親法人の株式を交付したものとみなされる措置及びその端数に相当する親法人の株式を有していないときに空売りを行ったものとみなされる措置の対象となる親法人の株式について、合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係がある法人の株式(上記①イ又は②の親法人の株式)とされました(法令119の10②、139の 3 の 2 ①)。分割型分
割及び株式交換についても同様です(法令119の10②、139の 3 の 2 ②④)。

⑵ 当初の株式交換等後に逆さ合併を行うことが見込まれている場合における当初の株式交換等に係る株式の保有関係に関する要件及び支配関係継続要件の見直し

適格株式交換等となる株式交換等の要件のうち、株式の保有関係に関する要件及び支配関係継続要件について、その株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、その適格合併後に株式交換等完全親法人との間の完全支配関係が継続することが見込まれていることを要しないこととされました(法令 4 の 3 ⑱~⑳)。
具体的には次のとおりです。

① 株式交換完全親法人による完全支配関係がある場合の株式交換
株式交換完全親法人による完全支配関係がある場合の株式交換における「株式交換後に株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に株式交換完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていること」との要件について、株式交換後に株式交換完全親法人を被合併法人とし、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、株式交換の時からその適格合併の直前の時までその完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされました(法令 4 の 3 ⑱一)。

② 同一の者による完全支配関係がある法人間の株式交換
イ 同一の者による完全支配関係の継続要件
同一の者による完全支配関係がある法人間の株式交換における「株式交換後にその同一の者と株式交換完全親法人との間にその同一の者による完全支配関係が継続することが見込まれていること」との要件について、株式交換後に株式交換完全親法人を被合併法人とし、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、株式交換の時からその適格合併の直前の時までその同一の者と株式交換完全親法人との間にその同一の者による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされました(法令 4 の 3 ⑱二イ)。
(注) 株式交換後にその同一の者と株式交換完全子法人との間にその同一の者による完全支配関係が継続することが見込まれていることとの要件については、上記の適格合併を行うことが見込まれている場合であっても従前どおりとされています
(法令 4 の 3 ⑱二ロ)。
ロ 株式交換完全親法人による完全支配関係の継続要件
同一の者による完全支配関係がある法人間の株式交換について、株式交換後に株式交換完全親法人を被合併法人とする適格合併で、同一の者とその適格合併に係る合併法人との間にその同一の者による完全支配関係がないもの(以下「特定適格合併」といいます。)を行うことが見込まれている場合において、その後に特定適格合併に係る合併法人を被合併法人とし、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれているときは、株式交換の時から株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併の直前の時まで株式交換完全子法人と株式交換完全親法人(特定適格合併に係る合併法人を含みます。)との間に株式交換完全親法人(特定適格合併に係る合併法人を含みます。)による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされ、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併後に特定適格合併に係る合併法人と株式交換完全子法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることを要しないこととされました(法令 4 の 3 ⑱二ハ)。
(注) 株式交換後に特定適格合併を行うことが見込まれていない場合において、株式交換後に株式交換完全親法人を被合併法人とし、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれているときは、改正前と同様に、株式交換の時から適格合併の直前の時まで株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に株式交換完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることが必要となります(法令 4 の 3 ⑱二ハ⑶)。

③ 当事者間の支配関係がある法人間の株式交換等
当事者間の支配関係がある法人間の株式交換等で株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合における「株式交換等の時から適格合併の直前の時まで株式交換等完全子法人と株式交換等完全親法人との間にその株式交換等完全親法人による完全支配関係が継続し、適格合併後に株式交換等完全子法人とその適格合併に係る合併法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていること」との要件について、株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、株式交換等の時から適格合併の直前の時まで株式交換等完全子法人と株式交換等完全親法人との間に株式交換等完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされ、その適格合併後に株式交換等完全子法人とその適格合併に係る合併法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることを要しないこととされました(法令 4 の 3 ⑲一ロ)。
なお、株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人以外の法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合において、その後にその適格合併に係る合併法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれているときにおける当初の適格合併後の完全支配関係の継続については、当初の適格合併の時から株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併の直前の時まで株式交換等完全子法人と当初の適格合併に係る合併法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとなります(法令 4 の 3 ⑲一ロ)。

④ 同一の者による支配関係がある法人間の株式交換等
イ 同一の者による支配関係の継続要件
同一の者による支配関係がある法人間の株式交換等について、株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、「株式交換等後に同一の者と株式交換等完全子法人との間にその同一の者による支配関係が継続することが見込まれていること」との要件に該当することを要することとされました(法令 4 の 3 ⑲二ロ)。
(注 1 ) このイの要件は、組織再編成の前後で経済実態に実質的な変更がないことを担保するため、「同一の者」による株式交換等完全親法人及び株式交換等完全子法人に対する支配が組織再編成後も継続していることを求めるものですが、上記の適格合併は株式交換等完全親法人と株式交換等完全子法人とを一つの法人とするものであり、適格合併後もその同一の者が株式交換等完全子法人を支配している限りにおいては、株式交換等完全親法人及び株式交換等完全子法人の事業を実質的に支配しているという状態に変更はないと考えられることから、上記の適格合併を行うことが見込まれている場合の当初の株式交換等が適格株式交換等に該当し得ることとする改正(下記ロ)にあわせて整備が行われたものです。
(注 2 ) 株式交換等後に同一の者と株式交換等完全親法人との間にその同一の者による支配関係が継続することが見込まれていることとの要件(法令 4 の 3 ⑲二イ)については、上記の適格合併を行うことが見込まれている場合の取扱いは従前からの変更はなく、株式交換等の時からその適格合併の直前の時までその同一の者による支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされています(法令4 の 3 ⑲二イ)。
ロ 株式交換等完全親法人による完全支配関係の継続要件
同一の者による支配関係がある法人間の株式交換等について、株式交換等後に株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合において、適格合併に係る被合併法人が株式交換等完全親法人であるときは、株式交換等の時からその適格合併の直前の時まで株式交換等完全子法人と株式交換等完全親法人との間に株式交換等完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとされ、その適格合併後にその適格合併に係る合併法人と株式交換等完全子法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていることを要しないこととされました(法令 4 の 3 ⑲二ハ⑶)。なお、株式交換等後に株式交換等完全親法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人以外の法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合において、その後にその適格合併に係る合併法人を被合併法人とし、株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれているときにおける当初の適格合併後の完全支配関係の継続については、当初の適格合併の時から株式交換等完全子法人を合併法人とする適格合併の直前の時まで株式
交換等完全子法人と当初の適格合併に係る合併法人との間にその合併法人による完全支配関係が継続することが見込まれていればこの要件に該当することとなります(法令 4 の 3 ⑲二ハ⑶)。

⑤ 共同で事業を行うための株式交換

共同で事業を行うための株式交換における支配関係継続要件について、株式交換後に株式交換完全親法人を被合併法人とし、株式交換完全子法人を合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、株式交換の時からその適格合併の直前の時まで株式交換完全親法人と株式交換完全子法人との間に株式交換完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれていれば支配関係継続要件に該当することとされ、その適格合併後に株式交換完全親法人が株式交換完全子法人のその適格合併の直前の発行済株式等の全部に相当する数の株式を継続して保有することが見込まれていることを要しないこととされました(法令 4 の 3 ⑳六)。


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