持株会社を作る方法は?
持株会社体制を作ることが決まったら、当然ですが、その方法を考えなければなりません。
持株会社を作る方法はいろいろありますが、ざっくり分類すると
①上に会社を作る(親会社をつくる)
②下に事業部を切り出す(子会社をつくる)
この二つしかありません。
この二つの方法をこれから解説していきます。
- ①上に会社を作る(株式移転+会社分割)
- 自社の上に新たな会社、つまり親会社をつくり、自社の株を100%保有させることで、持株会社化する方法です。
次のイメージ図をご覧ください。このように、自社の株を新たに設立した会社(A’社)に保有させることで、持株会社化を行うことができます。その後、この親会社に会社分割の方法により本社機能などを移転させることで、持株会社化の体制が整います。
持株会社化を行なっても自社の事業活動には影響を与えることがないため、許認可にからむ事業活動を行なっている場合におススメする方法です。
この方法は、「株式移転」と「会社分割」により行います。ここではキーワードだけ意識していただき、詳細を知りたい方は下記のページをご覧ください。
- ②下に会社を作る(会社新設+会社分割)
- 自社が100%出資して新たに会社をつくり、その子会社に会社分割の方法により事業部を切り出し、持株会社化を行う方法です。
次のイメージ図をご覧ください。自社の事業部を独立させることができるため、独立採算制をとることができ、幹部候補の育成を行うことができます。
しかし、事業部を分割すると、必ず「ヒト」の異動が発生します。
会社分割によりヒトが異動する場合は労働承継法の関係や異動する従業員から意見を聞かなければならないなど、多くの手続きが発生します。この方法は会社の新設と会社分割により行います。上記①と同様、キーワードだけ意識していただければと思います。
- どっちの方法がいいの?
- これは一概にいえるものではありません。
人に関すること、事業に関すること、システムの都合、税務の論点・・・・このサイトのコラムや事例をご覧いただき、自社のイメージに適した方法を検討してください。
持株会社化のスケジュールは?
持株会社化を行うには細かなスケジュール管理が必要となります。
債権者保護手続きや各種届出書の提出期限、登記のタイミングなど、論点は多岐にわたります。
詳細は別の記事をご参照いただきたいのですが、ここでは一つだけ、「現状の会社が上場準備を始めている場合は、待ったほうがよい」ということを覚えておいてください。