はじめての持株会社会社分割って難しい

全社方針で持株会社化するから、進めといて!

提携コンサルティング会社から、「会社分割スキームですね」と回答・・・
全社方針として持株会社化へ移行する意向が固まりました。どういうスキームがあるか、コンサルティング会社へ相談したとこころ、下に切り出しするか、上に持上げるか、という回答がありました。
スキームは大きくわけて2種類が王道。下に切り出し or 上に持上げか?
持株会社化に当たっての会社分割の手法は、殆どの会社で採用されているケースは、下記のようなケースになります。

手法1準備会社設立→会社分割スキーム

  • 受け皿会社設立
  • 吸収分割

いわゆる「下に切り出す」手法がこれに該当します。既存会社から管理部門だけを残して、本業を分社化で下に切り出すことになります。見ていただいて分かるように根幹事業が大きく移転することになります。

手法2株式移転→会社分割スキーム

  • 株式移転
  • 会社分割

いわゆる上に持上げる手法がこれに該当します。この場合、上場会社の場合は持株会社としての上場(テクニカル上場)が必須になります。

持株会社化は組織を大きく変更するビッグイベントです。しかし、何をどう進めていくか、検討がつかないことが殆どです。会社分割と一口にいっても上層部では簡単にできると思っているけど、実際にどうスキームを決定して、何をどう進めていくのか検討がつかないケースも殆どです。

どんな課題を検討するの?

株主への対応、取引先への対応、許認可への対応、従業員対応・・・検討テーマは多い。
会社分割は事業の一部を切り出す手法です。大きく分けても下記のテーマについて検討が必要です。
  • 1. 持株会社化への手法

  • 2. 株主対策(上場維持)

    ・株主総会の開催スケジュール
    ・再編の承認手続き(簡易分割実施可否の検討)
    ・開示の影響、タイミング(取締役会で何を決定し、いつ開示?)

  • 3. 取引先対策

    ・債権者保護手続の有無
    ・契約関係の引継ぎ(賃貸借契約、コベナンツ条項、チェンジオブコントロール条項など)

  • 4. 従業員への対応

    従業員の承継

    ・労働契約承継法の手続
    ・働き方に応じた就業規則改正等

  • 5. 申請手続き対策

    許認可の引き継ぎ
    ・法務・税務・労務等法律上の届出

  • 6. 税務への影響

    ・均等割
    ・消費税

ざっと挙げても上記すべての項目は必ず検討が必要になります。「管理部で進めといて」と簡単にいわれがちですが、従業員への対応や税務への影響、許認可への影響など事業を遂行していくのとても必要な要素が関係してきます。これらすべてをどうじに並行しながら何をいつまでに進めていくのか、段取りをしていくことが必要になってきます。

特に会社分割は、事業を切り出す手法です。「合併」も事業の移動を伴うのですが、2つを一つにする(合併)よりも1つを2つに分けることが手続上の労力は数倍かかります。

顧問の税理士や弁護士に依頼しておけば大丈夫?

一部の専門領域のみの専門家にはいってもらうだけではうまくいかない。
一部の項目のみ局所的に専門家に入ってもらう、はうまくいかないケースが殆どです。

例えば、吸収分割契約書のドラフトだけ、顧問弁護士にはいってもらうという流れ等です。このような場青、分割契約書は完璧に仕上がったけれど、他の手続が終わっていないということが多々あります。

会社分割が難しいポイントは、何をいつまでに実施するか、全体的なスケジュールコントロールをしながら、かつ詳細なToDoを漏れなく遂行することが難しいのです。

色んな法律が絡み合う…特にスケジューリングが難しい!

この日までにこれが終わっていないと進められない、そんな項目が多数隠れています。そのため、誰がいつまでに何をするのか、スケジューリングが特に難しくなってきます。特にスケジュールに影響を及ぼす検討項目は以下のとおりです。

「従業員への説明と通知」 × 「株主総会決議」 × 「適時開示」…インサイダーにも注意して
例えば、株主総会決議に向けたスケジュールを段取りしていくにあたっても、それまでにクリアするべきことは多岐にわたります。上場会社の場合は、吸収分割契約書を締結時に適時開示が必要になります。

また、「株主総会」で吸収分割契約等を承認する前の一定の期日までに、「従業員への説明と通知」を行う必要がありますが、一方で、「従業員への説明と通知」は「適時開示」が行われていない段階で進めるとインサイダー情報にもなりますので、どのタイミングでどれだけの情報を適時開示してすすめていくのか、日単位でのスケジュールの設定が必要なります。
非上場会社であっても労働契約承継法で求められる手続は同じですので、従業員へきちんと説明をしながら進めていく必要があります。

全国健保ではない…分割先で前と同じ健康保険組合にちゃんと入れる?
分割承継先の会社で全国健康保険協会に加入する予定の場合は特段影響となることはありませんが、会社分割前に特殊な健康保険組合に加入しているケースで、分割承継先の会社でも同様の特殊な健康保険組合に加入を予定している場合は注意が必要です。
理由は、新規に特殊な健保組合に加入をする場合に全国健康保険協会の加入実績を必要とするケースがあるためです。

つまり、新設分割の手続を予定している場合は、分割の効力発生時に分割承継先の新会社において、分割前に加入していた健康保険組合に継続して加入することができないケースがあります。このような健保組合一つにとっても事前にどのくらいの期日を擁するか逆算して手続をすすめる必要があります。

許認可等の引継ぎはそのままできる?引き継げないと最悪事業停止に…
許認可がある業種については、その引継ぎができない、あるいは再申請が必要となることがあります。その場合は事前に分割準備会社を設立した上で、実際に分割によって事業の移転が行われる前に、準備会社にて許認可を得ておく必要があります。
準備会社で許認可を得るために必要な期間は申請してからどのくらい必要か、事前にスケジューリングしておく必要があります。

管理部や経営企画部のメンバーだけで進めてはいける?

各部署から選出したプロジェクトメンバーでの遂行が絶対に必要!
ここまで説明したように会社分割を実施していくにあたっては許認可、会社法、金融証券取引法、会計・税務、労務、その他さまざまな規制への対応が必要となります。特に、いつまでに何を実施しておくか、特に会社分割では、株式交換や合併といった組織再編に比べて従業員への対応が必要な分、難易度が高くなるケースが殆どです。
実際に進めていくにあたっては、各種関係規定に対応する論点を網羅的に抽出し検討していくためのプロジェクトメンバーを組成し、専門家とうまく連携を図りながら工程管理をしっかりと行いながら進めていく必要があります。

プロジェクトリーダーは「各部署の連携」と「全体最適の意思決定」ができる方に!
会社分割の実行プロジェクトは、多岐にわたる論点を色んな部署と連携をとりながら、何を優先事項とするか、判断を繰り返しながら進めていくことになります。そのため、管理部最適、事業部最適ではうまくプロジェクトを進めてことができません。

プロジェクトリーダーは全社最適のためバランスを考えて意思決定できる方にリーダーシップをとって頂くことがプロジェクトの成功の鍵となります。

>>>NEXT 「やっちゃった」にならないために

【こちらもご覧ください】
会社分割を行う場合に注意しなければならない労務関係の手続きとは?
>>>会社分割における労働保険手続
>>>会社分割における社会保険手続

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