事業を継続できなくなるかもしれない
持株会社化を行うことは、いままでの会社の資本関係は大きく変わります。
つまり、株主が大きく変更します。
そして、株主は会社の経営に大きく影響を与えることができる立場にいます。
今回のコラムのテーマである「チェンジ・オブ・コントロール条項」とは、いろいろな契約の当事者間の間で結ばれていることが多い、次のような条項のことを言います。
「借主が、貸主の書面による承諾を得ることなく、次の行為をした場合、貸主は賃貸借契約を解除することができる。
・ 本契約時点の借主の株主の過半数以上の株主が変更されるとき。
・ 事業譲渡、合併により、実質的に経営主体の変更があると認められるとき。」
つまり、持株会社化を行うことは、このチェンジ・オブ・コントロール条項に抵触する可能性が極めて高いのです。
持株会社化をしたとしても、実質的な所有者が変わるわけではないため、事業の根幹となる契約に大きな影響を及ぼすことは一般的にはありません。
ただ、契約にこの条項が入っている状態で持株会社化をするということは、契約の相手方にしてみれば、一方的な解約通知をしたとしても法的に認められる要件が整うことを意味します。
「万が一」ということもあります。
持株会社化を行うときは、事業に関わる契約書を洗い直し、事業関係者へ事前に通知しておく必要があります。
(執筆:松岡)