「テクニカル上場」とは
金融機関同士の経営統合や、経営の機動性を高めるための持株会社化など、上場会社が株式移転により、持株会社を設立するケースがしばしばみられます。
例えば、ある上場会社が経営の機動性を高めるために持株会社化を検討している場合、持株会社化の手法として
①会社分割(抜け殻方式)による持株会社化
②株式移転&会社分割による持株会社化
の2つの手法が想定されます。
実際に持株会社化を検討している中で、許認可や取引先との関係から①の手法が難しいとなった場合には、②の手法を選択することになります。
ここで、②の手法では、株式移転により非上場会社の親会社が設立され、上場している会社は完全子会社となってしまい、もとの上場会社の株主は株式移転により流動性のない非上場会社の株式を手にすることになってしまいます。
これを回避するため、非上場会社が発行する株券について、通常の上場審査よりも簡略化された手続きにより、上場を認める制度がテクニカル上場という制度になります。
次回以降、このテクニカル上場について連載していきます。
(執筆:近藤)
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