事業承継型ベンチャー企業の実践と持株会社化
最近、「ベンチャー型事業承継」というキーワードを、よく耳にするようになりました。
ことばの意味は、「若手後継者が、先代から受け継ぐ、有形・無形の経営資源を活用し、リスクや障壁に果敢に立ち向かいながら、新規事業、業態転換、新市場参入など、新たな領域に挑戦することで、永続的な経営をめざし、社会に新たな価値を生み出すこと」と※とされ、次世代を担う若手後継者に必要な資質と言えます。
※一般社団法人ベンチャー型事業承継ホームページより引用
これらを実現するためには、若手後継者や社員、外部環境に応じた体制構築が必要であり、その中で特に、次なる若手経営者から、更に次なる後継者(いわゆる第3世代)が確定するまでの期間を、「持株会社体制」で運営されたいと希望される経営者様が急増しています。
その多くが、事業会社の役員に各社の幹部社員を据えて、権限移譲しようとするものであり、第3世代以降を支える経営人財をつくり続ける仕組みとして位置づけをされています。
これまで、「事業承継」というキーワードは、先代経営者から後継者への交代という、先代経営者の勇退を前提とした、ネガティブな伝わり方が目立っておりましたので、非常に前向きで躍動感のあるキーワードに、やっと進化したなぁという印象です。
新たな市場開拓、イノベーション創出といった常にチャレンジし続ける、ベンチャースピリッツを絶やさないことを実践する「事業承継型ベンチャー企業」が、これから世の中を席巻することでしょう。
(執筆:櫻井)