持株会社の意外な活用目的

持株会社の意外な活用目的

 

持株会社には、純粋持株会社と事業持株会社がありますが、純粋持株会社を設立する目的は何でしょう?

一般的には、戦略と事業の分離、組織再編・M&Aや新規事業展開の拡大、人事労務面におけるグループ資源の円滑化などが純粋持株会社のメリットとされているようです。

 

「戦略と事業の分離」を目的とする場合、事業会社にどこまで事業に関する意思決定権限を委譲するか、また、事業会社の経営責任をどこまで明確にするか、が大きなポイントとなりますが、一方で、コーポレート・ガバナンスの視点で考えた場合には、経営の管理監督と業務執行を分離することによって管理監督機能を強化し、経営の透明性、公正性の確保により企業価値を向上させる、という側面をもつといえます。

また、株主との関係でいえば、純粋持株会社化は、所有と経営(業務執行機能)の分離を目に見える形で、組織としてより明確にしたものであるといえます。

 

 

このような機能を活用して、経営人材の育成を1つの目的として純粋持株会社を設立する企業も少なくないようです。

最近では、非上場の中小企業においても純粋持株会社を設立し、後継者を事業会社の代表取締役に就任させることによって事業承継を円滑に進めていくことを検討されている、といった話も耳にします(もっとも、事業承継対策としての純粋持株会社の設立目的は他にあるのですが…)。

 

特に、直系の後継者が不在で、例えば娘婿が後継者候補である場合に、株式は直系のオーナー一族で保有することを希望される方もいらっしゃいます。

この場合には、オーナー一族が純粋持株会社を設立し、事業会社を娘婿に任せることにより、経営と所有の分離を実現することができます。

 

もちろん、他にも対策はありますが、1つの選択肢として持株会社の活用も検討できるということです。意外な活用目的もあるものですよね。

(執筆:添田)

更新日:2019.8.8   タグ: ,

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