純粋持株会社体制へ移行したものの・・・・
今回は、あるグループ会社が事業持株会社から純粋持株会社へ移行した際の問題をお伝えいたします。
A社グループはA社を含めてグループ4社あり、すべての会社の社長を創業者であるX氏が担っていました。
しかし、X氏が高齢となってきたため、X氏の息子のY氏への社長を交代するタイミングで、以下を目的として純粋持会社体制へ移行しました。
【目的】
① グループ会社の社長を「同族以外からも登用可能」とし、社員のモチベーションアップを図る
② 事業会社を並列の位置づけとし、「遠心力を働かせ、成長させる」
③ 「間接部門は、純粋持株会社へ集約」し、効率化を図る
また、副次的な効果として将来的な株価抑制もあるが、あくまでも副次的
結果として、①、③は達成しましたが、まだ②の事業会社の成長には効果を発揮しておりません。
なぜでしょうか?
実は、X氏は事業会社の役員は退任したものの、純粋持株会社の会長として事業会社の社長・役員へ「にらみを利かし過ぎ」ており、事業会社の社長・役員が会長の「指示待ち族」になってしまっていました。
会長へは、息子のY氏や外部コンサルタントからそれでは「人材は育たない」と言っていわれていますが、なかなか聞き入れられておりません。
体制を整えたとしても、すぐに狙い通りの効果があわられるわけではありません。
「どのようにすれば組織を活性化することができるか」はこれからも考え続ける必要があります。
(執筆:藤谷)