株式交換後の減資手続について

株式交換を行うと資本金が増加する?

株式交換に伴い、子会社となる株式を100%取得してくる代わりに、既存の子会社の株主に対して自社(親会社の株式)を新規発行することとなります(自己株式を割当てることも認められています)。

つまり、株式交換によって株式を新規で追加発行するということは、資本金か資本準備金が増加することになります。(その他資本剰余金での増加は併せて減資を行わない限り認められておりません。)

なお、資本金か資本準備金いずれを増加させるかは株式交換契約書の中で決定が可能です。

 会計と税務処理の違い

決算書上の資本金・資本準備金が増加することになりますが、税金の世界でいうところの資本金等の額はまた別の考え方での処理であるため必ずしも同額が増加するわけではありません。

<前提条件>株式交換完全親会社:A社 株式交換完全子会社:B社

①株式交換契約において、増加資本金を10,000千円と定めている(差額は資本準備金とする)

②株式交換完全子会社の簿価純資産は1,000,000千円とする。

③株式交換実施前のB社株主が保有するB社株式の帳簿価額(取得原価):15,000千円

 

会計上の仕訳

子会社株式 1,000,000千円 /  資本金     10,000千円(※1)

○○○○○○○○○○○○○/   資本準備金 990,000千円(※2)

税務上の仕訳(子会社の既存株主が50人未満の場合)

子会社株式 15,000千円    / 資本金等の額 15,000千円(※3)

 

(※1):株式交換契約書に基づく

(※2):簿価純資産1,000,000千円と増加資本金10,000千円との差額

(※3):既存株主の帳簿価額(取得原価)となる。

税務より会計の方が増加する金額が多額!?

非上場会社のグループ会社を株式交換によって完全子会社とするような場合は、会計上は子会社の純資産価額に基づいた金額として合計1,000,000千円が計上されるの(上記※1,2)に対して、税務上は株主が保有していた取得原価15,000千円となる(上記※3)ため、下記のように税務上の方が低い金額となります(グループ内再編においては、このようなケースが多く見受けられます)。

(会計)資本金・準備金の増加額 1,000,000千円 >(税務)資本金等の額の増加額  15,000千円

なぜ法人住民税に影響する?その影響は半永久的!

法人住民税は税務上の「資本金等の額」がいくらかによって納める金額が決まっています。ただし、「資本金等の額」に比べて、会計上の「資本金+資本準備金」が高い場合は、法人住民税は「資本金等の額」ではなく、「資本金+資本準備金」の合計額で納付金額が決定されます。つまり、法人住民税の均等割が増加する場合があります。上記の場合は、資本金等の額が15,000千円しか増加しないの対して、資本金・準備金は1,000,000千円増加しています。そうすると、A社の均等割レンジは、10億円レンジを越えてきます。

例)東京都 50名以上:1億超~10億以下 41万円/年 → 10億超~50億以下 175万円/年

1拠点だけでも影響がありますが、さらに拠点が多いと影響は、はかりしれません。均等割の増加は、赤字でも黒字でも半永久的に発生する税金なので影響は長期的にみてもインパクトは大きいですね。

 減資によるその他資本剰余金への振替

資本金等の額は低いのに、株式交換を行った結果として決算書上の「資本金+資本準備金」だけが高くなっている。この場合は減資手続を行い、資本準備金の額をその他資本剰余金へ振替を行います。減資は債権者保護手続と株主総会決議を経ることによって実施します。

 

(執筆:武部)

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更新日:2019.12.25   タグ: ,

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