どの時に注意すればいいの?!
株式交換や株式移転後に自社株式の相続税評価額をする際に、現物出資等受入れ差額に注意する必要があります。具体的には、純資産価額による相続税評価額を計算する際に登場します。
「取引相場のない株式(出資)の評価明細書の第5表のニ・ホ」の差額を指します。つまり株式交換や株式移転により親会社が取得した子会社株式の帳簿価額(ホ)と当該子会社株式の相続税評価額(ニ)との差額を指します。通常は相続税評価額が帳簿価額より大きい場合には差額に対する法人税額等相当額(37%)を差し引くことができますが、株式交換や株式移転時の差額については法人税額等相当額を差し引くことができません。
※株式交換や株式移転後に子会社株式の評価額が株式交換や株式移転時より上昇した際は、この上昇分については法人税額等相当額を差し引くことができます。
財産評価基本通達186-2(抜粋)
課税時期における相続税評価額による総資産価額の計算の基とした各資産の帳簿価額の合計額(当該各資産の中に、現物出資若しくは合併により著しく低い価額で受け入れた資産又は会社法第2条第31号の規定による株式交換(以下この項において「株式交換」という。)若しくは会社法第2条第32号の規定による株式移転(以下この項において「株式移転」という。)により著しく低い価額で受け入れた株式(以下この項において、これらの資産又は株式を「現物出資等受入れ資産」という。)がある場合には、当該各資産の帳簿価額の合計額に、現物出資、合併、株式交換又は株式移転の時において当該現物出資等受入れ資産をこの通達に定めるところにより評価した価額から当該現物出資等受入れ資産の帳簿価額を控除した金額(以下この項において「現物出資等受入れ差額」という。)を加算した価額)から課税時期における各負債の金額の合計額を控除した金額
(執筆:千原)