子会社の事業実態を備える【事業承継税制④】

持株会社は資産保有型、資産運用型に該当しやすいことを前回ご説明しました。
そして、この資産保有型、資産運用型に該当すると、事業承継税制の適用は受けることができません。

今回は、前回お伝えした「ある限られた条件」についてお話しします。

ある限られた条件とは?

まずは、資産管理型会社や資産運用型会社となる場合の鍵となる「特定資産」について説明しなければなりません。

ここで復習です。


・資産管理型会社になる場合とは
「貸借対照表の総資産の金額のうちにこの特定資産の占める割合が70%を以上である場合」です。

・資産運用型会社になる場合とは
「総収入金額のうちに、特定資産からの収入(配当や家賃など)が収入全体の75%以上である場合」です。


繰り返しになりますが、この資産管理型、資産運用型に該当してしまうと、事業承継税制の適用を受けることはできません。
※また、既に事業承継税制の適用を受けていたとしても、一度でもこれらに該当してしまうと「即納税」です!

いずれの場合も、持株会社が有する資産がこの「特定資産」に該当するかどうかが大きな分かれ道になります。

では「特定資産」とはなんでしょうか?

ざっくりいいますと・・・

・現預金
・有価証券
・賃貸用不動産
・ゴルフ会員権、絵画、貴金属等

です。

イメージとしては「事業に直接つかっていない資産」+「キャッシュ」となります。

つまり、持株会社が所有する子会社株式は、この「特定資産」に該当することになります。

これでは持株会社は事業承継税制の適用を受けることはできません。
純粋持株会社の場合は、資産はほぼ全て「特定資産」に該当してしまうからです。

 

しかし、ご安心ください。

子会社株式についても「事業実態要件」の判定があります。
※事業実態要件については前回をご参照ください

 

すこしイメージしづらいでしょうか?

事業承継税制の趣旨は、中小企業の雇用と技術を守ることがその目的です。

日本の産業を支えている中小企業が、持株会社を作った瞬間、事業承継税制の適用除外になってしまったのでは規定の趣旨に反することになります。

つまり、形式的には持株会社が有価証券しか保有していなくとも、その実態が中小企業であれば、事業承継のために「納税を猶予してあげますよ」という規定となっています。

 

これは、すでに事業承継税制の適用を受けていた会社が持株会社化をする場合も同様です。
(中小企業庁より公表されている申請マニュアルの55ページ目などをご参照ください)
※マニュアルはこちら

 

いかがでしょうか。
持株会社も、しっかりと組織体制を考えれば事業承継税制の適用を受けることができます。
特に平成30年度の改正は大幅に適用範囲が拡大されております。

事業承継対策に、是非ご検討ください。

 

ただし、基本的な要件は満たす必要がありますし、「納税猶予を受け続けるかどうか」の判断は必要です。

事前に顧問税理士には必ずご相談ください。

(執筆:松岡)


<事業承継税制に関するコラム>

1.検討してますか?事業承継税制の適用

2.持株会社に事業実態を持たせるのが近道(その1)

3.持株会社に事業実態を持たせるのが近道(その2)

4.子会社の事業実態を備える

5.事業承継税制で持株会社化を積極活用するべき理由

6.事業実態要件を持株会社で備えるためのヒケツ

番外編:事業承継税制を検討する際の便利なサイト集

更新日:2019.8.1 , ,  タグ: , ,

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