組織再編における「人事」「労務」の手続き
組織再編における「人事」「労務」に関する手続きについては、会社分割時の労働契約承継法に関する手続きだけでなく、様々なものがありますが、今回は「人事労務に関する手続き」と「社会保険に関する手続き」の二つをご説明します。
(1)組織再編における人事労務に関する手続き
先ず、組織再編によって従業員が異動することにより、新会社での労働条件について、「就業規則(人事関連規程)」の見直しや整備が必要となることや、労使協定についてもあらたに締結、届出が求められることがあります。
また、組織再編により、従業員各人の給与については、人事制度(給与、等級、評価制度)や退職金に(退職金については401kやDC、中退共などの制度にも)影響が生じることもあり、この場合、人事制度や退職金についての見直しやあらたに整備が求められるため、注意が必要です。
その他、新会社での安全衛生委員会や衛生管理者などの安全衛生管理体制や、障害者雇用などの手続きが発生します。
(2)組織再編における社会保険に関する手続き
次に、組織再編における「社会保険」についても、従業員の異動にともない手続きが必要となります。
公的な社会保険については、「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」があります。
各保険制度において、届出すべき手続きが発生し、また、組織再編のスキームによっても手続きが変わってくるため、これら手続きを事前に整理し、適切な届出が求められてきます。
上記と合わせて、会社分割時においては、労働契約承継法における、「7条措置」「5条協議」「労働者への2条通知」が適切に行われる必要があり、「人事」「労務」に関しては、多岐にわたり注意が必要となります。
※本コラムの各手続きの詳細については、組織再編と労働承継法を詳しく解説した「労働承継法研究室」をご参照ください。
(執筆:福田)