簡易合併とは?
企業同士のシナジー効果を狙って、もしくは、マネジメントのしやすさを目的として、企業戦略の一環として合併を行うことがあります。
また、持株会社においても、子会社同士を合併して上記のようなシナジー効果、マネジメント向上を狙うこともよくあります。
このような場合には、株主総会を開催して、株主の承認を得る必要がありますが、その会社が上場会社で株主が多数いる場合や反対株主がいる場合には、合併に手間がかかったり、合併自体を実施できない可能性があります。
その場合に考えられるのが、「簡易合併」という手法です。
簡易合併とは、株主総会での承認を得ずに合併を実施できる方法です。そのため、反対株主がいる場合や、合併スケジュールを短縮したい場合には有効です。
ただし、簡易合併を行うためには、下記の要件を満たす必要があります。
上記要件を満たしていない場合には、事前に存続会社で増資をして純資産を増やしたうえで簡易合併をするという方法も考えられます。
一方で、合併差損が生じる場合(消滅会社が債務超過会社の場合)や、消滅会社の株主に交付する対価が存続会社の譲渡制限株式かつその存続会社が非公開会社である場合等は、上記要件を満たしていても、簡易合併は実施できませんので注意が必要です。
(執筆:島村)
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