持株会社と持分会社って違うの!?
1.持株会社と持分会社の違い
持株会社と持分会社、時折間違って相談にこられる方がいます。
その違いについて、ご紹介したいと思います。
(前回はこちら)
持株会社とは、いわゆるホールディングス会社のことを指し、会社の形態として純粋持株会社と事業持株会社という2つの形態があります。
純粋持株会社とは、親会社が自ら事業を行わず、株式の所有により子会社の事業活動を支配する会社をいいます。
事業持株会社とは、子会社の株式をもちつつ、自ら事業を行う会社をいいます。【詳しくはこちら】
一方、持分会社とは、会社形態との一つで、合名会社、合資会社、合同会社を総称したものになります。会社形態になるため、持分会社と対比されるのが、株式会社です。
そのため、持株会社と持分会社は似て非なるものです。
(参考1)【株式会社と持分会社の比較】
2.持分会社は、持株会社(ホールディングス)になれるのか?
では、持分会社は持株会社になれるか?気になりますね。
キャッシュアウトを伴う持株会社化であれば、株式等を買取り、持分会社も持株会社になれます。
一方、キャッシュアウトが伴わない手法で、持株会社を作ることができるのか?
①株式移転による手法
持分会社は、株式移転による持株会社化はできません。会社法上、株式移転による持株会社化は、株式会社のみになっています。
②会社分割による手法
持分会社である合名・合資会社は、会社分割により一部事業を切出し子会社化することは、できず、分割法人(親会社)になれません。一方、合同会社は、会社分割により一部事業を切出し子会社化し、分割法人(親会社)になることができます。つまり、合同会社は会社分割により、持株会社化するこができます。
③株式交換による手法
複数会社がある場合、株式交換という手法を使って、持株会社化することがあります。では、持分会社は株式交換で持株会社(親会社)になれるのか?合名・合資会社は、持株会社(親会社)になれません。一方、合同会社は、持株会社(親会社)になることができます。
(参考2)【キャッシュアウトを伴わない持株会社手法のまとめ】
持分会社でも、持株会社をつくることができますが、“なぜ持株会社をつくるのか?”を整理し、場合によっては、組織変更などを検討し、持株会社体制を構築することも必要ですね。
(執筆:眞船)