持株会社化は債権者にとって一大事!?債権者保護手続の重要性
あなたは、A社に対して1億円のお金を貸しています。
A社はこれまで毎月順調にお金を返済していたため、特に不安はありませんでした。
ある日、A社は突然宣言しました。「我々は、B社に吸収されます」
あなたは驚きました。しかし、一抹の不安はありつつも、順調に返済を受けるものと期待していました。
後日、あなた宛にB社から次のような通知がきました。
「我々はA社のような返済は致しません。毎月の返済額はこれまでの半額とします」・・・
現実にはこのようなことはありえませんが、持株会社化は良くも悪くも会社組織を大きく変えることとなります。債権者を守る規定がなければ、悪意ある債務者が規定を悪用することで大きく損失を被る可能性があります。
そこで、持株会社化を行おうとする場合、その会社の債権者は、異議を述べる機会が与えられます。異議を述べた債権者に対して、会社は債務を返済するか、担保の提供を行わなければなりません。
会社にとっても一大事!?持株会社化ができない・・・
債権者保護手続は、持株会社化をしようとする会社にとっても非常に重要な手続です。
もし、この債権者保護手続を行った場合や不備があった場合は、持株会社化が認められません。(登記ができない)
スケジュールに注意して、手続に不備がない様に進めていく必要があります。
債権者保護手続の方法
債権者保護手続は、官報に公告をだします。
イメージとしては「持株会社化します。債権者の方々、異議がある場合は1ヶ月以内にお申し付けください」という内容です。
ですが、普通、官報を日ごろ見ている人は、一部の人を除いてそうそういません。そこで、会社の債務者に対しては、個別に通知(個別催告)をする必要があります。
その他、公告の方法が電子公告等の場合は個別催告が不要となる場合もあります。
(執筆:松岡)