銀行口座は引継げる!?
会社分割を行った場合、銀行口座がスムーズに引き継げるかどうかは実務上非常に重要なポイントです。事業を行っている以上、取引は常に動いており、ストップさせることは困難です。
会社分割は、事業の権利義務の全部又は一部を包括的に承継させる行為であるため、法律上は、会社分割を行った日に権利義務が承継する法人へ移管されますが、実務上は簡単にはいきません。
銀行口座をスムーズに引き継ぐためには・・・
まずは、金融機関によって、銀行口座が引継ぎできる・できないが異なってくるため、金融機関に事前に口座の引継ぎの有無を確認することが必要です。
次に実務上、銀行口座が引継ぎできないケースが多いため、会社分割が行われる日の1ヶ月~2ヶ月前に取引先へ入金先変更のアナウンスをすることが重要です。事前にアナウンスをしても、旧口座へ振り込んでくる取引先は多いです。
そして特に「新設分割」の場合には、注意が必要です。新設分割の場合には、新会社を設立してから登記簿謄本ができるまでに約2週間ほどかかり、それまでは、金融機関の口座がない会社になります。取引先が振り込みできないなどお客様に影響がでないようにするために、新設分割ではなく事前に分割承継準備会社を設立し、口座を開設してから吸収分割の手続きを踏むなどの工夫が必要です。
(執筆:眞船)