~その2.海外子会社の管理不安に対応するために設立
・・・”本社と地域統括会社との間で共通認識を持つことが重要“
■海外リスクの増大
企業の海外展開が加速化している中、各社が海外で直面するリスクも増大しています。
日本本社での把握が難しい程にリスクが拡大し、本社の管理費用も増加してしまいます。「まだ現地に任せきれない」「コミュニケーションに不安がある」といったことから、本社から2~3年ごとに管理監督者を現地赴任させることが、特にアジア地域では多いのが現実ではないでしょうか。
そこで海外子会社の管理対策として地域統括会社を設立し、ガバナンスの強化を図るケースがあります。
この場合の地域統括会社は、主に海外子会社のリスク管理を行うことが役割となります。
具体的には、経理や資金繰り、労務管理が主な機能となるでしょう。
■本社と地域統括会社との間の“期待ギャップ”
上述のように、海外子会社のリスク管理目的で地域統括会社を設立した場合においても、それが上手く機能していないという相談を多く受けます。
理由はそこに生じている“期待ギャップ”に起因するものと考えられます。
地域統括会社対する日本本社からの“期待”と、実際に当該地域統括会社が果たしている“現実”とのギャップです。
<本社と統括会社との間の主な期待ギャップ>
■本社・地域統括会社間の共通認識を
このようなギャップを埋めるためには、本社と地域統括会社との間で、当該地域統括会社の位置づけや機能、リソース、予算について、しっかりと認識を共有することが何より重要となります。
また地域統括会社は、各国の環境変化に合わせ柔軟に機能・組織を変化させていかなければなりません。
この変化の過程においても常に、本社と地域統括会社とが共通認識を持ち続けることが必要といえます。
(執筆:金井)