持株会社化と事業承継税制の適用順序(その1)

持株会社化と事業承継税制の適用順序(その1)


【目次】

1.はじめに

2.持株会社化と事業承継税制の適用順序(※本コラム)


 

「はじめに」でも述べたように、事業承継税制の適用を受けた場合、事業承継税制の適用を受けた後の再編行為については慎重に検討しなければなりません。

事業承継税制の猶予確定事由に該当することだけは、絶対に避けなければならないからです。

 

しかし、「円滑化法」は、再編行為、つまり持株会社体制を否定しているものではありません。

むしろ、「円滑な事業活動を行うための再編行為を阻害しない」ことを主眼に、中小企業庁が公表するマニュアルには「~いかなるときも認定が取り消されることとなると、合理的な企業活動を阻害するおそれがあるため、一定の場合に~中略~地位を承継する旨を規定しています」とあります。

 

この「一定の場合」については後述しますが、それほど厳しい要件ではなく、マニュアルにもあるように「合理的な企業活動」である場合は難なくクリアできてしまいます。

※もちろん、気をつけなければならないこともあります

 

そこで、本コラムでは「持株会社化と事業承継税制の順番」について述べたいと思います。

 

持株会社化と事業承継税制の順番

 

制度の適用を検討している場合は、事業承継税制の適用を受けてから持株会社化をするのか、持株会社化をしてから事業承継税制の適用を受けるかは大きな分かれ道となります。

 

どちらを選ぶにも“気をつけること”があり、それぞれの場合に“どのようなアクションが必要になるか”を理解しておく必要があります。

 

 

1 持株会社化 → 事業承継税制の場合

 

持株会社化の手法にもよりますが

実は、もっとも注意しなければならないのは、「事業承継のタイミング」です。

 

事業承継税制の適用を考えるということは、株価が高額で、株をなるべく早く移転させようと考えていることが多いと思います。

 

ここで、持株会社化をする際に気をつけなければならいポイントをご紹介します。


後継者は、役員の就任期間が3年以上なければなりません。

そして、役員の就任期間は組織再編によっても引き継がれません。

さらに、持株会社の代表取締役は先代が就任しなければなりません。


 

つまり、親会社を新しく新設して持株会社化を行う場合は、株の承継は最低でも「3年後」になる、ということです。

 

3年後の株の承継を想定している場合は問題ありませんが、すぐに株を承継したい場合は、この方法で持株会社化を行うと事業承継税制の適用を受けることができません。

 

従いまして、事業承継税制の適用前に持株会社化を行う場合、3年後に株を承継するか、別の方法により持株会社化を行う必要があります。

 

別の方法については次のコラムにて。

※上記の「3年要件」は贈与税の納税猶予を受ける場合のみであり、相続税の納税猶予を受ける場合には規定がありませんのでご安心ください

(執筆:松岡)

持株会社化と事業承継税制

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  • はじめに
  • 持株会社化と事業承継税制の適用順序(その1)
  • 更新日:2019.7.19   タグ: , ,

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