2種類の考え方
子会社から親会社への会社分割(下から上)や子会社同士(兄弟会社間のヨコスライド)で行う会社分割は、基本的には「対価なし」かもしくは「人的分割」(対価を分割会社の株主へ交付する方法)方法で行います。
純資産の処理の内訳処理が2通りある
この場合の会計処理は、純資産の内訳の処理について下記の2つの方法が認められています。
その1.「分社型分割+現物配当」と考える場合
①分割承継会社
- 資本金・資本準備金・その他資本剰余金のいずれかを定める。
- 無対価の場合は、「その他資本剰余金」となる
②分割会社
- 受け取った対価をそのまま配当として処理(利益剰余金等の減少)
- 現物配当を実施しているため、利益準備金等の積立が必要
その2:分割会社からの引継ぎと考える場合
①分割承継会社
- 分割法人が減少する資本金・資本準備金・その他資本剰余金・利益準備金・その他利益剰余金として引き継ぐ。
- 無対価の場合は、資本金および資本準備金は「その他資本剰余金」として引継ぎ、利益準備金は「その他利益剰余金」として引き継ぐことになる。
②分割会社
- 新設分割手続により当然に資本金・資本準備金の減少が生ずることになる。この場合は減資と同じ扱いのため、債権者保護手続きが必須となる。
※債権者保護手続きが伴い、スケジュールに影響することに注意。
(執筆:武部)
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