その他(派遣業の許可、障害者雇用、マイナンバーなど)
(1) 労働者派遣事業の許可
- ① 吸収合併の場合
- 消滅会社が労働者派遣事業(以下「派遣事業」)の許可を受けており、合併存続会社が消滅会社の事業所で引き続き派遣事業を行なう場合には、次のようになる。
- ② 新設合併の場合
- 合併後に新設会社が新規に派遣事業の許可を受ける必要がある。
- ③ 吸収分割の場合
- 上記①の吸収合併と同様の扱いになる。(「存続会社」を「承継会社」に、「消滅会社」を「分割会社」にそれぞれ読み替える)
- ④ 新設分割の場合
- 上記②の新設合併と同様の扱いになる。
- ⑤ 事業譲渡の場合
- 上記①の吸収合併と同様の扱いになる。(「存続会社」を「譲受会社」に、「消滅会社」を「譲渡会社」にそれぞれ読み替える)
(2) 職業紹介事業の許可
- ① 吸収合併の場合
- 存続会社が職業紹介事業の許可を受けている場合には、存続会社で新規に許可を取得する必要はない。一方、存続会社が職業紹介事業の許可を受けていない場合には新規に許可を受ける必要がある。
- ② 新設合併の場合
- 新設会社で職業紹介事業の許可を受ける必要がある。
- ③ 吸収分割の場合
- 上記①の吸収合併と同様の扱いになる。(「存続会社」を「承継会社」に、「消滅会社」を「分割会社」にそれぞれ読み替える)
- ④ 新設分割の場合
- 上記②の新設合併と同様の扱いになる。
- ⑤ 事業譲渡の場合
- 上記①の吸収合併と同様の扱いになる。(「存続会社」を「譲受会社」に、「消滅会社」を「譲渡会社」にそれぞれ読み替える)
(3) マイナンバーの取り扱い
合併などによる事業承継の場合は、マイナンバー法第19条第5号(特定個人情報の取扱いの全部若しくは一部の委託又は合併その他の事由による事業の承継に伴い特定個人情報を提供するとき)に該当し、事業の承継先にマイナンバーを含む特定個人情報を提供することができると考えられる。なお、会社分割(いわゆる分社化)においても同様と考えられる。
(4) 障がい者雇用納付金等に関する申告申請書の取り扱いはどうなる?
吸収合併があった場合には、存続会社が合併届を関係機関に提出し、申告申請を行なうことになる。なお、合併届の「関係する企業の状況欄」には消滅会社について記載することになるので注意する必要がある。また、新設合併の場合には、新設会社が合併届を関係機関に提出し、申告申請を行なうことになる。なお、この場合、合併届の「関係する企業の状況欄」に消滅会社について記載することになる点は吸収合併と同様である。
(特定社会保険労務士 安藤 幾郎)