持株会社化と事業承継税制の適用順序(その2)

持株会社化と事業承継税制の適用順序(その2)

 

前回、

「従いまして、事業承継税制の適用前に持株会社化を行う場合、3年後に株を承継するか、別の方法により持株会社化を行う必要があります。」

 

というお話しをさせて頂きました。

この「3年後」になってしまう理由としては、「後継者が3年以上役員に就任していなければならない」という要件を満たさないことが大きな理由です。

つまり、設立以後3年間は事業承継税制の適用を受けられない(株を承継できない)こととなります。

 

 

 

1 前提の整理

 

ここで、もう一度前提を整理させて頂ければと思います

 

詳細はこちらのコラムでも述べておりますが


・先代経営者が複数の会社を経営している

・後継者への株の承継を3年以内に行いたい

・事業承継税制の適用を受けたい


この3つの条件すべてに該当する場合に、「持株会社化+事業承継税制」の適用を検討することとなります。

(上記3つに当てはまらなくとも、もちろん検討する場合はあります)

 

そのメリットは「事業承継税制の手続きを行う会社が1社ですむ」が最も大きな点となります。

 

 

 

2 もう一つの方法とは?

 

前回、事業承継税制の適用を受ける前に持株会社化を行う方法としてお伝えしていたのが「株式移転」の方法によるものです。

 

「株式移転」により親会社を新たに設立し、既存の会社はすべてこの親会社(つまりホールディングス会社)の子会社となるように再編を行うことにより達成されます。

 

これに対するもう一つの方法は「会社分割」、つまり既存の会社の事業を子会社として切り出し、親会社になる方法です。

 

既存の会社が事業承継税制の適用をうけることができる要件さえ満たしていれば、「3年以上の役員就任期間」はおのずとクリアすることができます。

 

3 注意点

 

この「会社分割」により子会社化を行う際に注意しなければならないことがあります。

それは、親会社の「事業実態要件」です。

 

事業実態要件については、こちらのコラムで詳しく述べておりますが

子会社に事業財産のほとんど分割し、いわゆる「抜け殻」会社のようになってしまう場合、この事業実態要件を満たすのは難しくなります。

 

また、この事業実態要件を満たさない場合でも

・収入金額がゼロでないこと

・従業員が1人以上いること

の要件は満たす必要があり、親会社の組織設計には注意をする必要があります。

 

 

いかがでしょうか?

 

持株会社化の後に事業承継税制の適用をうけることはメリットもありますが、事業承継税制の適用要件を満たすように設計が必要であるため、持株会社化の前に、税理士等の専門家によくご相談ください。

 

次回以降、「事業承継税制の適用後の持株会社化」について、そのメリット・デメリットや注意点をお話ししていきます。

 

 (執筆:松岡)

更新日:2019.10.9 ,  タグ: , ,

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