人事評価制度の効果的な運用 ~評価の納得度、制度の理解度を高めるには~

前回のコラムにて、人事評価制度は企業の人材マネジメントにおいて重要な役割を持つ、と説明いたしました。(前回コラムはこちら

 

グループ会社の場合に限らず、どのような企業にもいえることですが、人事制度構築に力を入れて、素晴らしい仕組みを作り上げたとしても、適切に「運用」されなければ、制度全体が上手く機能せず、期待していた効果を得ることができません。

人事制度は、等級に応じた評価、評価に応じた処遇決定(等級の昇降格や昇降給、賞与支給額の決定)など、等級制度と報酬制度、評価制度が相互に連動しており、人事制度が機能するためには評価制度の運用がとても重要なカギとなります。

 

参考:人事制度の全体像

 

そこで、今回は人事制度全体を機能させるためのカギとなる、人事評価制度を効果的に運用するためのポイントを説明します。

 

長年の人事コンサルティングで蓄積したコンサルタントのノウハウを詰め込んだ人事評価・目標管理システムがあります。

 

人事評価のフロー

 

目標管理制度(MBO=Management By Objectives)や定性評価、BSC(バランスト・スコアカード)、OKR(Objectives and Key Results)など、人事評価の仕組みには様々なものがありますが、目標管理制度と定性評価の組み合わせが多いのではないでしょうか。

いずれの仕組みを取り入れたとしても、どの点を、どんな基準で評価するかの擦り合わせから始まり、どこに向かって、どのように取り組み、どれだけ進捗したかを評価することになります。このような評価前の合意がなされないと、評価される側とする側双方の認識にズレが生じ、評価を適切に行うことが難しくなるでしょう。

 

適切な評価を実施するためには、面談等による擦り合わせを繰り返すことが重要です。例えば、目標管理制度と定性評価を導入するケースの一般的な人事評価は、下記のようなフローで運用されます。

 

面談の目的

人事評価制度を効果的に運用するためには、評価する側、評価される側の双方が、高い納得度で評価に望むことが重要なポイントとなります。

会社から期待されていることと自身が思い描くものとの間に「ギャップ」が生じているかを、評価される側だけで判断することは難しいものです。期初に上長と擦り合わせをすることで、初めてその「ギャップ」に気づき、目標の方向性のズレを抑えることができます。また、その達成度や行動イメージなども双方の目線が共有されることで、評価の基準も共通認識を持つことができ、お互いの納得度が向上します。

 

期中には、目標に向けてアセスメントを実施し、その達成に向けた助言やサポートします。可能であれば、複数回実施することが望ましく、企業によっては毎月実施するケースもあります。評価する側にとっては対象者の目標進捗や期間中の行動を確認することができ、評価される側にとっては、アドバイスや支援されることで不安が解消する上、自分の仕事を把握してくれていると実感でき、信頼関係も深まります。

 

期末には、自分自身で評価期間を振り返り、その結果を踏まえ評価者と面談に望みます。評価者は事前に事実情報を収集し、見えていない成果を把握しておくことが重要です。実施した面談内容を踏まえ評価者が評価することになりますが、その評価結果は必ずフィードバックすることをオススメします。自分自身の評価が最終的にどうなったのかを知ることができないと、自身の行動が正しかったのか、公正な評価が為されているのか疑心暗鬼になり、評価の納得度が薄れてしまいます。

 

評価の納得度を高めるためには、時間をかけたコミュニケーションが必要ということです。

 

評価制度の理解を深める

もちろん、コミュニケーションだけで評価制度が効果的に運用できるわけではなく、そもそも評価の仕組み自体が、どのような主旨、目的で構築されているかを理解できているかも重要なポイントです。

全社員に対して人事制度の全体像を丁寧に説明しても、いざ実際に評価に望む際には忘れていることも多いので、可能であれば評価実施マニュアルなどを整備することが望ましいです。毎期の評価時期に改めて説明するのも効果的で、最近は動画なども比較的簡単に作成できるので、書面と動画を併用して理解を深めてもらえるように工夫する企業も多くなっています。

 

また、評価制度運用のキーパーソンは「評価者」です。評価者には、少なくとも評価制度導入前、または新たに評価者になった際に、必ず評価者研修を実施してください。評価者が、制度運用上不安な要素を持ったままでは、公正・公平な評価結果が期待できません。

さらに、評価者研修は定期的に実施することをオススメします。評価者間で制度運用について相談する機会は少なく、自分と他評価者との間に考え方のギャップが生じていても、自身で気づくことはできません。研修内でグループワークなどを通じて情報共有を行うことで、評価に対する考え方、認識の擦り合わせができ、全体的な評価のバランスが徐々に整い、また、評価の質も向上していきます。

 

人事評価制度の運用ツール

「評価シート」と聞くと、皆さんどのようなイメージを持たれるでしょうか。多くの方はエクセルシートや紙で出力されたシートをイメージされると思います。エクセルデータや紙を回覧してサインや捺印など、事務作業もそれなりに発生します。評価対象(部下)が多くなると、評価スケジュールの管理も大変で、期日を守らない部下も出てきます。評価制度を適切に運用するには想像以上の労力がかかるのです。

評価制度を運用するにあたって、実は一番ストレスがかかるのはこの実務部分です。

期日までに評価を終わらせる必要があるため、実際の評価も時間に追われることになり、事務作業的に評価シートに記入してしまうこともあるのではないでしょうか。また、人事評価制度を集計する人事担当者にも大きな負担を強いることになり、常態化すると人事評価制度の意味がなくなるだけでなく、単純に社員の負担が増えるばかりで、逆効果になってしまいます。

最近は人事評価もクラウドシステム化されて、様々なツールが世に出ており、以前に比べ安価にサービスを利用できるようになりました。上記のような課題をお持ちであれば、人事評価システムの利用も検討することもオススメします。

 

長年の人事コンサルティングで蓄積したコンサルタントのノウハウを詰め込んだ人事評価・目標管理システムがあります。

 

今回は、適切な評価制度を運用するための要素として、全社員が高い納得度や理解度を持って評価に望むことが必要な点、また、評価者は評価制度運用に対して真摯に時間をかけて取組む必要がある点をお伝えしました。

 

次回は、新人事制度移行時のポイントについて解説します。

(執筆:加藤)

長年の人事コンサルティングで蓄積したコンサルタントのノウハウを詰め込んだ人事評価・目標管理システムがあります。

 

更新日:2020.9.18 ,  タグ: ,

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