統合時の統合
連結納税採用会社がM&Aにより被買収会社を連結完全支配関係とした場合には、連結納税グループ加入直前においてその被買収会社が保有する資産に対して時価評価課税がなされる(法法61の12)。
また、その連結完全支配子法人となった法人が繰越欠損金を有している場合には、原則としてその加入直前に切捨てられる(法法81の9②一)。
株式移転による統合
適格株式移転により設立された連結親法人が連結納税を採用した場合には、株式移転完全子法人の保有する資産に対しては、時価評価課税の対象から除外する。
なお、株式移転完全子法人が連結完全支配関係にある子法人を保有している場合において、その子法人が長期保有子法人に該当するときは、その子法人も時価評価課税の対象から除外する。
また、株式移転完全子法人又はその子法人が次に該当する場合において、繰越欠損金を有しているときは、連結納税グループに持ち込むことが可能となる。
- (1) 株式移転完全子法人のケース
- 連結親法人を設立した株式移転に係る株式移転完全子法人で株式移転後、株式移転完全子法人の繰越欠損金については、次の区分に応じて連結納税グループに持ち込むことが可能である。
①株式移転が連結納税開始の日の5年前の日までに実施した場合
所得制限なく、連結納税グループに持込可能②株式移転が連結納税開始の日の5年前の日前に実施した場合
株式移転完全子法人の個別所得の範囲内で持込可能。
なお、株式移転完全子法人が株式移転直前において、他の法人による支配関係があった場合は上記の対象から除かれる(法令155の19⑪)。 - (2) 株式移転完全子法人の100%子会社のケース
- 株式移転完全子法人の連結完全支配関係がある子法人が長期保有子法人に該当する場合は、その各子法人の個別所得の範囲内で連結納税グループに持ち込むことが可能である。