不動産取得税
原則
不動産を取得した場合には不動産取得税が課される(地法73の2)。そのため、事業譲渡等の手法により不動産を移転した場合には、不動産取得税が課されることになる。
具体的な税額については、原則として、土地、建物を取得した場合には固定資産税評価額の100分の4について不動産取得税が課される(地法73の15、73の21)。
非課税措置
- (1) 合併の取扱い(地法73の7②)
- 合併により不動産を移転する場合には、包括的な事業の移転であるため、不動産取得税は非課税となる。
- (2) 会社分割の取扱い(地法73の7②、地令37の14)
- 会社分割も、包括的に事業の移転があることから、次の要件を満たす場合には非課税となる。
①金銭等不交付要件
分割承継法人株式以外の資産が交付されないこと。②按分型要件
その分割が分割型分割である場合、分割承継法人株式が分割法人の株式の株主等の有する分割法人株式の数の割合に応じて交付されること。③主要資産等引継要件
分割事業に係る主要な資産及び負債が分割承継法人に移転していること。④事業継続要
分割に係る分割事業が、分割後に分割承継法人において分割後に引き続き営まれることが見込まれていること。⑤従業員引継要件
分割直前の分割事業に属する従業員のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が、分割後に分割承継法人の業務に従事することが見込まれていること
なお、上記の要件には、法人税法上の税制適格再編の要件のひとつである「株式継続保有要件」等がないため、法人税法上の「非適格分割」であっても、不動産取得税は非課税になるケースもあり得ることに留意が必要である。 - (3) 現物出資の取扱い(地法73の7二の二、地令37条の14の2)
- 法人が新たに法人を設立するために、現物出資を実施する場合には、次の要件を満たすときには、非課税となる。
- ① 現物出資法人が、新設株式会社の発行済株式等の総数の90%以上を所有していること。
- ② 新設株式会社が出資株式会社の事業の一部の譲渡を受け、その譲渡に係る事業を継続して行うことを目的としていること。
- ③ 新設株式会社の取締役の1人以上が出資株式会社の取締役又は監査役であること。