源泉所得税
① 原則
給与、退職金、配当金などを支払った場合にはそれぞれ源泉所得税を徴収する必要がある。なお、源泉所得税の徴収を失念した場合には、原則不納付加算税(10%)が課されるため、留意が必要である(国通法67)。
また、源泉所得税を徴収された法人又は個人においては、徴収された源泉得税については、法人税、所得税の仮払的な性格のものであるため、配当金などを受け取った法人や、給与、退職金、配当金などを受け取った個人における確定申告において税額控除の適用が受けられる。
② みなし配当(法法24)
みなし配当課税は、会社法上では剰余金の配当に当たらないものでも、所得税法上は配当とみなして課税対象となる。通常の配当とは異なる一定の事実のもとで、金銭等の交付を配当とみなして、通常の配当と同様に源泉徴収される。
組織再編成時のみなし配当の対象として取り扱われるのは、次の事由により交付を受けた金銭その他の資産に対応する資本等の額超過額である。
- ・非適格合併
- ・非適格分割型分割
- ・有償減資
- ・解散による残余財産の分配
- ・自己株式等の取得(市場における取得等を除く)
源泉税は、あくまでも一時的な仮納付に過ぎず、確定申告時に通算されるものではあるが、資金繰り等を考慮した場合に多大な影響を与える可能性も高いので、組織再編手法の事前検討時には十分に留意する必要がある。