グループ再編の取扱い
組織再編税制は、平成13年度の税制改正で導入された制度であり、その立法当時の解説によれば、「組織再編成による資産等の移転が形式と実質のいずれにおいてもその資産を手放すものであるときは、その資産等の譲渡損益の計上を求め、他方、その移転が形式のみで実質においてはまだその資産等を保有しているということができるものであるときは、その資産等の譲渡損益の計上を繰り延べることができると考えられることによる。」とされている。また、この趣旨の下、「移転資産等の譲渡損益の計上を繰り延べる企業グループ内の組織再編とは、本来、完全に一体と考えられる持分割合が100%の法人間でも行うものとすべきであると考えられますが、現に企業グループとして一体的な経営が行われている単位という点を考慮すれば、50%超100%未満の持分関係にある法人間で行う組織再編成についても、移転する事業に係る主要な資産及び負債を移転していること等の一定の要件を付加することにより、これに含めることができると考えられる。」とされている。さらに、共同事業を営むための再編については、「企業グループを超えた組織再編が行われている実態が考慮されたもの」とされている。
なお、上記の通り50%以下の株式保有関係にある場合については、グループ内の組織再編として本来は想定しておらず、実務的にも非常に稀なケースであることから、事業の統合(合併又は株式移転)以外の組織再編については本書では対象外とする。また、三角合併等(三角株式交換除く。)についても実務的に稀なケースであることから、適格の判定のみの記載にとどめ、課税の取扱いについては本書では対象外とする。