グループ内の組織再編成
連結子会社内法人を合併する場合
連結子法人が連結グループ内の法人と合併した場合には、連結子法人の連結欠損金個別帰属額は、合併法人に引き継がれ、切り捨てはされない(法法81条の9⑤)。
合併の日と連結事業年度開始の日が異なる場合には、合併の日の前日をみなし事業年度として単体申告を実施する必要がある。被合併法人である連結子法人の合併直前事業年度に所得が生じるか欠損が生じるかで合併により合併法人に引き継がれる連結欠損個別帰属額が異なる。
被合併法人の合併直前事業年度に所得が生じる場合には、合併直前事業年度の所得の計算において、被合併法人の連結欠損個別帰属額について控除することができる。その結果、合併により合併法人に引き継がれる欠損金は被合併法人の合併直前事業年度前の連結欠損金個別帰属額から合併事業年度において控除された金額を控除した金額となる。
被合併法人の合併事業年度に欠損が生じる場合には、被合併法人の合併直前事業年度は単体申告であることから、他の連結法人の所得と相殺することができない。
そこで、合併直前事業年度に生じた被合併法人の欠損については、合併法人の合併の日を含む連結事業年度の損金の額に算入する(法法81条の9④)。
連結グループから離脱する場合
連結子法人が連結グループから離脱する場合、連結子法人の連結欠損金個別帰属額は、離脱後の連結事業年度において連結納税上連結欠損金として繰越控除することはできない(法法81条の9⑤五)。
同様に、連結子法人が連結グループ外の法人と合併したことによって、連結グループから離脱する場合にも、連結子法人の連結欠損金個別帰属額は、離脱後の連結事業年度において連結納税の取扱い上連結欠損金額として繰越控除することはできない(法法81条の9⑤一)。
帳簿価額の修正
- (1) 連結子法人株式の帳簿価額修正
- 連結子法人の帳簿価額修正とは、連結子法人の譲渡等をする場合において、法人税上の連結子法人株式の帳簿価額を修正することをいい、連結グループでの二重課税や二重控除を防ぐために設けられた制度である(法令9①六、②、9の2①六、②、119の3⑤)。
- (2) 適格組織再編成における帳簿価額修正
- 適格組織再編成に該当する場合には、移転する資産は簿価で譲渡したものとみなす等により譲渡損益は計上しない。
適格組織再編成に伴い連結子法人株式の譲渡や連結完全支配関係の消滅が生じる場合等については、帳簿価額修正を実施しなくても二重課税や二重控除は発生しないため、帳簿価額修正は不要となる(法令9②一、三)。