組織再編の実践ノウハウ組織再編の労務

労働者の保護も組織再編の検討に必要

労務に関する法律

組織再編はさまざまな労働環境の変化を生みます。そのため、多数の法律が影響しますが、主には労働基準法、労働契約法、雇用保険法、労働者災害補償保険法に加えて、各種の年金保険法があります。また、会社分割にともなう労働契約の承継については、労働契約承継法が別に規定されています。

規定の目的は労働者の保護

組織再編を行うことによって、組織再編前の会社で働く従業員の立場が大きく変わることがあります。たとえば、組織再編にともなう整理解雇、転籍、労働条件の変更などの可能性もあるため、個々の従業員にとっては不安がつきまといます。そこで、各種の法律によって労働者の保護を図っているのです。

通常の労務規定との違い

組織再編は個々の従業員にとって不利益を被る可能性もあるため、移籍に係る労働者の同意や、異議申し出の機会などの規定を別途、設けています。
事業譲渡によって労働者を移籍させる場合、対象となる労働者から個別の同意を得なければなりません
一方、会社分割を行う場合、誰が分割前の会社に残るのか、それとも分割事業にともない承継されるのかといった労働者の範囲について、労働者に断りなく、会社分割の当事者である会社の意思で決められることになっています。そのため、大きな利害を受ける一定の労働者に対して、労働者への事前通知や異議申し出などの各種の権利を与えています。
このように労務における組織再編では、各組織再編による従業員への影響を意識して、必要な手続きを整理しておくことが重要です。
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組織再編の実践ノウハウ

第1章 企業(組織)再編の基本を押さえる

第2章 組織再編の事前検討の実行① 株式の集約

第3章 組織再編の事前検討の実行② 事業の移転

第4章 組織再編の事前検討の実行③ 資産の移転

第5章 組織再編の事前検討の実行④ 再生(第二会社方式)

第6章 組織再編の手続きを確認する

第7章 組織再編後に行う3つのこと

第8章 各種再編手法のケーススタディ

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